先日、独立リーグである九州アジアリーグの「熊本火の国サラマンダーズ」から、NPBの千葉ロッテマリーンズに電撃復帰した小窪哲也選手が、移籍後初出場の試合でホームランを打ち、話題となりました。
近年、NPB退団選手が独立リーグでプレイすることが多くなりましたが、今回は独立リーグからNPBに復帰した選手の成績を振り返ってみましょう。
現役のNPB復帰選手一覧
まずは、現在もNPBでプレイしている復帰選手の成績を振り返りましょう。
現役選手は、わずかに2人です。
1.歳内宏明(東京ヤクルトスワローズ)
2011年のドラフト2位で阪神タイガースに入団した歳内は、スプリットを武器に主にリリーフとして活躍し、2015年にはキャリアハイとなる29試合の登板で防御率2.62の好成績を残しました。
しかし、右肩のケガに悩まされて2017年には育成契約となり、2018年に支配下に復帰したものの、2016年以降は1軍登板の無いまま2019年オフに戦力外通告を受けます。
2019年12月に四国アイランドリーグの香川オリーブガイナーズと契約。
2020年シーズンでは、9試合の登板で5勝負けなし、防御率0.42の圧倒的な成績を残し2020年9月に東京ヤクルトスワローズと契約、1年でNPB復帰を果たしました。
NPB復帰後すぐに1軍での先発登板を掴み、復帰後初勝利もマークしています。
年度別の成績は以下の通りです。(2021年9月11日時点)
年度 | チーム | 防御率 | 登板数 | 勝利 | 敗北 | セーブ | HP | 投球回数 | 奪三振 | 自責点 | WHIP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2012 | 阪神 | 1.80 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5.0 | 3 | 1 | 1.20 |
2013 | 5.63 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8.0 | 1 | 5 | 0.75 | |
2014 | 6.75 | 13 | 1 | 3 | 0 | 1 | 24.0 | 25 | 18 | 1.38 | |
2015 | 2.62 | 29 | 1 | 1 | 0 | 3 | 34.1 | 23 | 10 | 1.22 | |
2016 | 3.00 | 9 | 0 | 0 | 0 | 2 | 9.0 | 3 | 3 | 1.44 | |
2017 | 1軍登板無し | ||||||||||
2018 | |||||||||||
2019 | |||||||||||
2020 | 香川 | 0.42 | 9 | 5 | 0 | 0 | 0 | 64.0 | 76 | 3 | 0.53 |
ヤクルト | 4.28 | 7 | 1 | 2 | 0 | 0 | 33.2 | 21 | 16 | 1.84 | |
2021 | 1軍登板無し |
2.小窪哲也(千葉ロッテマリーンズ)
先日NPB復帰戦でホームランを放ち、強烈な印象を残した小窪。
2007年に大学・社会人ドラフト3位で広島に入団し、内野のユーティリティとして2020年まで在籍しました。
最も多く試合に出場したのはルーキーの年である2008年で、その後もレギュラーまではいかないものの、コンスタントに1軍の試合に出場を続けました。
2020年オフに戦力外通告を受けて、2021年6月に九州アジアリーグの火の国サラマンダーズに入団。
その2か月後となる、8月31日に滑り込みで千葉ロッテマリーンズに入団し、NPB復帰を果たします。
そして、NPB復帰初戦となる9月9日に2番ファーストでスタメン出場し、復帰初安打をホームランで飾る大活躍を見せましたね!
年度別の成績は以下の通りです。(2021年9月11日時点)
年度 | チーム | 試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 安打 | 盗塁 | 三振 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2008 | 広島 | 98 | .270 | 3 | 19 | 74 | 1 | 49 | .338 | .350 | .688 |
2009 | 70 | .295 | 2 | 16 | 54 | 2 | 33 | .371 | .388 | .759 | |
2010 | 81 | .207 | 1 | 24 | 43 | 0 | 31 | .290 | .255 | .545 | |
2011 | 65 | .261 | 2 | 12 | 37 | 1 | 17 | .295 | .352 | .647 | |
2012 | 25 | .209 | 0 | 2 | 9 | 0 | 6 | .244 | .279 | .524 | |
2013 | 53 | .264 | 3 | 9 | 29 | 0 | 14 | .325 | .409 | .734 | |
2014 | 78 | .317 | 3 | 30 | 51 | 1 | 15 | .365 | .429 | .794 | |
2015 | 69 | .296 | 1 | 15 | 21 | 1 | 18 | .419 | .366 | .785 | |
2016 | 69 | .217 | 2 | 10 | 20 | 0 | 23 | .321 | .402 | .723 | |
2017 | 26 | .175 | 0 | 8 | 10 | 1 | 13 | .254 | .211 | .464 | |
2018 | 17 | .308 | 0 | 3 | 8 | 0 | 7 | .357 | .500 | .857 | |
2019 | 51 | .246 | 1 | 5 | 28 | 0 | 19 | .306 | .298 | .605 | |
2020 | 3 | .333 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .333 | .333 | .667 | |
2021 | 熊本 | 18 | .421 | 1 | 12 | 24 | 0 | 4 | .500 | .561 | 1.061 |
ロッテ | 2 | .143 | 1 | 2 | 1 | 0 | 2 | .125 | .571 | .696 |
過去5年のNPB復帰選手一覧
次は、過去5年間(2016年~2020年)でNPBに復帰した選手を紹介します。
1.藤川球児(阪神タイガース)
松坂世代のレジェンドも、MLB挑戦後の2015年に四国アイランドリーグの高知ファイティングドッグスに入団していました。
在籍は1年でしたが、「地元高知の子供たちに夢を与えたい」という思いから、NPBのオファーを断っての入団ということもあって、話題になりましたね。
翌2016年に阪神タイガースに復帰し、セットアッパー、クローザーとして活躍。
2019年には56試合に登板し、16セーブ、23ホールド、防御率1.77と全盛期さながらの好成績を残しましたが、2020年は成績不振により現役引退となりました。
2.三家和真(千葉ロッテマリーンズ)
2011年の育成4位で広島カープに入団。
広島時代は1軍での出場がないまま、2013年に戦力外。
2014年にBCリーグの信濃グランセローズに入団し、2015、2016年は石川ミリオンスターズでプレイしました。
2016年12月に千葉ロッテマリーンズの入団テストに合格し、NPBに復帰を果たします。
2017年にプロ初出場を記録、2019年には25試合に出場しプロ初安打、プロ初ホームランを記録しましたが、翌2020年に現役を引退しました。
3.岩本輝(オリックスバファローズ)
2010年にドラフト4位で阪神タイガースに入団。
2012年に3試合に先発しプロ初勝利を含む2勝を挙げ、順調なスタートを切りました。
しかし、翌年以降なかなか1軍に定着できず、2015年に13試合に登板するも翌2016年オフに戦力外通告。
2017年にBCリーグの福井ミラクルエレファンツに入団。
2017年は先発で8勝、2018年は中継ぎで26試合、防御率1.50と好成績を残し、2018年7月にオリックスに入団、NPB復帰を果たします。
復帰後は中継ぎとして活躍し、2019年に現役を引退しました。
4.古村徹(横浜DeNAベイスターズ)
2011年のドラフト8位で横浜ベイスターズに入団。
登板の無いまま2012年に育成契約、2014年に戦力外通告を受け現役を引退しました。
2015年は横浜の打撃投手としてチームを支えてくれましたが、翌2016年に現役復帰し四国アイランドリーグの愛媛マンダリンパイレーツに入団します。
2017年12月にBCリーグの富山GRNサンダーバーズに入団し、2018年はリリーフとして33試合に登板し防御率2.60の好成績を残しました。
2018年に横浜の入団テストに合格しNPBに復帰しましたが、引退した2020年を含めて、1度も1軍のマウンドを踏むことができませんでした。
NPB復帰後も活躍できる選手は少ない
今回は、過去5年間に独立リーグからNPBに復帰した選手を紹介しました。
藤川を除けば、NPB復帰後に好成績を残した選手はいませんね。
やはり、NPBの壁は厚いということでしょう。
歳内と小窪が活躍することで、独立リーグの選手に勇気を与えてほしいですよね!
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